緒永廣康 「ソメチメス」(sometimes)30

18.干支に因み~「PEANUTS」の魅力(2)

 「ピーナッツ」の作者はチャールズ・モンロー・シュルツ(1922ー2000)、そしてこの

コミックの正式開始は1950年で、2000年作者の死去と共に終了した。詳細に

興味のある方はウィキペディア等を参照頂きたい。

  この半世紀に及ぶ歴史の中では様々な記録、出来事があったが、強いて一つトピック

を挙げるとすれば、1969年5月NASAによって打ち上げられたアポロ10号(そ

の2カ月後11号が初の月面着陸を果たした)の司令船と着陸船のコールサインが其々

チャーリーブラウン、スヌーピーと命名された事ではないだろうか。私はテレビで中継

される船内で、乗組員が2枚のイラストを見せている場面をよく覚えている。

ディズニーの妙に足のでかいあの鼠のお化けではなく、こちらが選ばれた事実は、その

ユーモアもさることながら、それだけアメリカ国民の支持があったと言う事だろうと

思う。作者シュルツもこの事を喜んだのか、その後度々、丸い金魚鉢のような宇宙帽を

被ったスヌーピーが月面や宇宙遊泳からヒューストンと交信し、「流行語がいっぱい」

と呟かせている。勿論これはスヌーピーの得意技である夢想の中の事だが。

 

 夢想に触れたので、少しその事を説明したい。

 比較的初期の頃は、海賊かバイキングのような恰好をして「エンヤラヤット、ラムひと

瓶」というパターンが多かったが、次第に「世界的に有名な」(world famous)を冠した

弁護士、裁判官、スポーツ選手などのバリエーションが登場してくる。どの場合もそれ

らしい恰好で、最初は恰好をつけているが最後はおおごけする事が多い。特に第一次

世界大戦のパイロット編は何度も登場する人気パターンだ。そこではスヌーピーが眼鏡

付きの飛行帽を被り、愛機ソッピーズ・キャメル(実はスヌーピーの犬小屋)に搭乗、

宿敵レッドバロン(実在した独軍撃墜王で貴族のリヒトホーフェン)と空中戦を繰り広

げる。結果はいつもレッドバロンに回り込まれ銃撃を受けて、犬小屋の屋根には弾痕、

出入口から煙が出て終わる。また、突然レッドバロンに出くわし、思わず "Hi, Red. " 

と作り笑いを浮かべ、何とか見逃して貰おうとする調子の良さを見せたり(尤もリヒト

ホーフェンは騎士道を重んずる武人だったそうだから、多分許してくれただろう)、他

にも敵地に不時着して、戦場を彷徨うコマ数の多いものや偵察飛行に出かけ、下を見な

がら「あわれな歩兵たち」呟くこともある。

 

 ところで日本に於けるスヌーピーの評価はどのようなものであろうか。恐らく(特に

女性層では)「カワイイ」ではないだろうか。それに対して私は異議を唱えたい。続き

は次回。<続>